2010年9月26日日曜日

共生のまちで:ルポ基町 小学生バイオリン隊 温かい音色伝えたい /広島

http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20100924ddlk34040376000c.html

 敬老の日の20日、中区の広島市立基町小体育館で基町地区の敬老会があった。同校「バイオリン隊」の児童ら22人が奏でる音色に、高齢者380人が耳を澄ませた。客席の福岡敏子さん(76)は「みんな上手でいいですよ」と目を細めた。
 バイオリンを教えているのは、同校音楽教諭の林久雄先生(57)。林先生が03年に赴任した時、「子どもたちの目が音楽に向いていない」と感じ、授業にも苦労した。外国にルーツを持つ児童が約4割を占め、言葉の不安などから自由な表現活動が苦手な子が多いように思われた。全員が市営・県営住宅住まいのため音が大きいピアノを家に置きにくく、習い事をちゅうちょする家庭もあった。
 「僕が教えよう」。広島少年合唱隊を率いるなど、学校内外で指導経験が豊富な林先生は思い立った。「自宅にも持ち帰って練習できるように」と、楽器は音が小さいバイオリンに決めた。安いバイオリンを探して自費で買ったり、不要になったものを譲り受けたりして、40本をかき集めた。放課後の音楽室でバイオリン教室を開いた。
 現在、バイオリン教室に通っているのは、全校児童(134人)の4分の1に当たる約30人。放課後、子どもたちが入れ替わり立ち代わり訪れ、1人30分程度のレッスンを受ける。林先生は一人一人の音色を聞き、丁寧にアドバイスをする。
 全員が未経験からのスタートで、初めのうちは音を出すのにも苦労しながら、ゆっくりと覚えていく。卒業して中学生や高校生になっても通い続ける子もいる。「バイオリニストを育てたいわけじゃない。楽器を弾くのが生活の一部になってくれたらいい」。林先生は温かく見守る。
 5年生の蔡茹夢(さいうむ)さん(10)は、6年生の兄・志遠(しえん)さん(12)とともにバイオリン教室に通う。妹の茹夢さんが幼稚園の時、生まれ育った中国・江西省から来日した。初めてバイオリンを手にしたのは2年生の時。練習に集中し、うまく弾けた時のうれしさから、どんどん好きになった。家にバイオリンを持ち帰って練習していると、近所の友人宅からも音色が響く。昨年11月にあった地域の文化行事「基町の夕べ」では、県内屈指の実力を持つ広島市立基町高器楽部と共演し、感激した。
 今年の敬老会。バイオリン隊は「きらきら星」など3曲を披露した。ちょっとぎこちないけれど一生懸命な演奏に、高齢者たちは大きな拍手を送った。蔡さんは「たくさんの人に聞いてもらえてよかった。難しい曲に挑戦して、いろんな人に聞かせてあげたい」と笑顔で語った。
情熱のあるすばらしい先生ですね。
子供の頃は、学校の先生なんて夏休みも長いし楽な職業だよね〜とか何も知らずに無責任に思ってましたが、時間的、精神的、肉体的にかなり大変なお仕事ですよね。
義姉と義兄が高校教師をやってるんですが、授業以外にも部活の顧問などもやらなければならず、とても忙しいようです。

この林先生も授業以外でこれほどの活動をなさっているわけで、その苦労は並大抵のものではないと思います。
特殊な出自の生徒さんも多いようですが、この活動が学校生活、社会生活全体がよいものとなるきっかけになればいいですね。

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